ナノスーツ技術と医学の交差点の論文が発表されました。皆さんCLEM法をご存じですか?

https://www.nature.com/articles/s41374-019-0309-7

光学顕微鏡と電子顕微鏡を組み合わせて、生物学的サンプルの詳細な分析を可能にする技術です。この技術は世界中で求められているものですが、この論文の著者の河崎秀陽先生が中心にナノスーツ法を駆使して万人が簡単に達成でき、切片試料を壊すことなく正確に医学応用に資する技術として開発され、2019年に論文発表されたものです。本論文では、水いぼなどの皮膚疾患の解析にも役立つことが示されました。水いぼは、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)による感染症で、主に子どもたちに多く見られます。皮膚表面のバリアである角質層とウイルス粒子との“立体的な相互関係”を、組織構造を保持した状態で可視化することに初めて成功されました。特に、ウイルスが角質層で一時的に留まり、バリアが破綻した箇所から内部に侵入する様子が視覚的に示されたのは、世界ではじめての報告です。この研究成果は、Wiley 社の国際学術誌「Immunity, Inflammation and Disease」オンライン版にて、2025年6月3日に公開されました。Open Accessです。

是非ご覧いただき、皆様の研究や診療にご活用ください。