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NanoSuit株式会社は国立大学法人浜松医科大学の研究成果を引き継ぎ、2019年4月1日に設立されました。

NanoSuit技術をもちいて新たな電子顕微鏡観察の展開やその他の用途を開発して参ります。

会社概要

NanoSuit株式会社は国立大学法人浜松医科大学の研究成果を引き継ぎ、2019年4月1日に設立されました。

(代表挨拶)

生物学の研究を続けてきた中で、15年ほど前にバイオミメティクス研究(生物を学び、人間の叡智によって‘ものづくり’を進める分野)が欧米で始まっていることを知り、我が国における発展が不可欠であると考え研究推進をして参りました。生物をしっかり生物の表面構造をナノからミクロンまでサブセルラーサイズでできる限り生きたままの姿で観察する必要が生じました。そこで誕生したのが日本発のNanoSuit®法の技術です。

NanoSuit®法では、生物を生きたまま、あるいは固定標本などを濡れたままで電子顕微鏡観察を行います。観察の為の処理は比較的簡易で短時間で導電性も付与できるため、形態の微細構造の変化は、ほとんどありません。従来法の技術の特徴と合わせて観察すれば、これまでの知見と共に新たな視点が加わり、生命科学の理解は一層深まります。個体や組織、細胞や生体微粒子(ウイルスやエクソソームなど)の電子顕微鏡観察が可能となり、EDSなどを用いて生体そのものの多様な元素分布をイメージング分析することにも成功しております。また、Pinhole freeの自立膜を作ることができることも、魅力の一つです。

今後、皆様方と共にNanoSuit®法を発展させ、健康・医療や美容、食品など、さまざまな分野に貢献していくために会社を設立しました。皆様に貢献できる会社として努力して参ります。

NanoSuit株式会社 代表取締役 針山 孝彦

(会社概要)

会社名 NanoSuit株式会社
所在地 静岡県浜松市東区半田山1-20-1
役員 代表取締役 針山 孝彦

技術

NanoSuit技術は、生体適合性高分子の水溶液を生物の個体や組織、細胞などの表面に塗布することで、ごく薄い被膜を形成し、対象物からの水分の蒸発を抑制する技術です。

これにより真空下の電子顕微鏡観察においても、生物の個体や組織、細胞などの水分を保持し、元々の形状を維持したまま観察することができます。

NanoSuitは細胞が真空中でも水分を失わないように宇宙服を着せているようなイメージです。

(電子顕微鏡観察におけるNanoSuitの水分保持効果)

ボウフラの電子顕微鏡写真です。
ボウフラの電子顕微鏡写真です。
何も処理せずに観察すると真空下でボウフラは乾燥してしまって潰れてしまいますが、NanoSuit法(下段)では形状が保持されます。一番右の画像で表面に薄くNanoSuitの被膜が形成されていることが分かります。
パンジーの花弁の電子顕微鏡写真です。
パンジーの花弁の電子顕微鏡写真です。
従来法(下段左側)では乾燥してしまっていますが、NanoSuit法(下段右側)では微細な突起構造が維持されています。
NanoSuitの概要と開発者である針山からのご挨拶です。

製品紹介

NanoSuit溶液 Type I  微小生物・個体・生体組織用 ナノスーツ溶液製品外観

NanoSuit溶液 Type II  病理標本・CLEM用


日新EM株式会社から購入いただけます。

http://nisshin-em.co.jp/nanosuit/index.html

 

NanoSuit(Type I)を用いた観察手順

NanoSuit液Type I を用いた電子顕微鏡観察の方法については、以下の動画を参考になさってください。

ギャラリー I (生体試料・生物)

福寿草

福寿草の花弁の拡大です。

蓮の葉

蓮の葉の微細構造です

ハマトビムシ

ハマトビムシの顕微鏡写真です

ヒトスジマイカ

ヒトスジマイカの幼虫の顕微鏡写真です

アミメアリ

アミメアリの複眼の拡大です

ユリクビナガハムシ

ユリクビナガハムシの脚の微細構造です

ナットウ菌

ナットウ菌の顕微鏡写真です

アロエ

アロエの葉の断面です。EDXでカルシウムの結晶を観察しています
SEM-EDXによるイメージング

鶏モモ肉 生と冷凍解凍後

鶏モモ肉の電顕写真です

NanoSuit溶液で保護し、FE-SEMで高分解能観察した 「生トリもも肉」 表面には、均一なサイズの繊維状の微細構造がみられます。これに対し、同じ方法で調べた 「解凍トリもも肉」 では、表面の微細構造は壊れていて、且つ液状の物質が表面に染み出している様子が観察されました。このような表面状態の違いが、解凍食材のモサモサ感の原因となっている可能性が示唆されました。

魚(アマゴ) 冷凍条件が及ぼす影響

アマゴの冷凍と急速冷凍

NanoSuit溶液で処理した「アマゴ(生)」と、「アマゴ(-20度・家庭用フリーザーで凍結)」、「アマゴ(液体窒素で急速凍結)」像の比較です。光学顕微鏡の低倍率観察でも3つの材料は異なって見えますが、電子顕微鏡で濡れたまま高倍率・高分解能観察すると、表面構造にはさらに大きな違いがあります。生のアマゴの表面には規則的な縞状構造が見られますが、同じサンプルをフリーザーで凍結すると、そのような構造は観察されません。一方、液体窒素で急速凍結した試料には、controlに比べると少し痛んでいますが、同様な縞状構造が確認されました。

カニ・カニ蒲鉾

左側) NanoSuit溶液で処理した「蟹(生)」と、「蟹(生→冷凍→解凍)」、「蟹(茹でたもの)」像の比較です。光学顕微鏡の低倍率観察でも3つの材料は異なって見えますが、電子顕微鏡で濡れたまま高倍率・高分解能観察すると、表面構造にはさらに大きな違いがあります。生の蟹の表面構造は滑らかで平らですが、同じサンプルを凍結後、解凍し観察すると、表面微細構造には穴がみられ、凸凹が生じています。また、生の蟹を茹でるとやはり微細構造には穴や凸凹が生じています。

右側) NanoSuit溶液で処理した「含水状態の本物の蟹(ボイル・解凍)」と、「本物の蟹そっくりのカニカマ」、「あまり蟹には見えないカニカマ」像の比較です。光学顕微鏡の低倍率観察では、3つの材料は同じもののように見えますが、電子顕微鏡で濡れたまま観察すると、これらの表面構造には大きな違いがあります。「本物の蟹」では、異なる組織に由来する異なる微細構造がみられます(左)。これに対して「生のカニカマ」では、どこを観察しても規則性のある一様な構造で出来ています(中・左)。また同じカニカマでも、本物の蟹に見えるもの(中)では、赤白のそっくりの模様が、独立した柱状の構造に再現されています。一方、あまり蟹には見えない製品(右)には、このような特徴はありません。このような構造の差により、食感の違いが生じているのかもしれません。

生のネギとフリーズドライのネギ

NanoSuit溶液で保護し、FE-SEMで高分解能観察した 「生の青ネギ」 表面には均一なサイズの繊維状の超微細構造がみられます。これに対し同じ方法で調べた 「フリーズドライ製法の青ネギ」 では表面の微細構造は壊れていて、且つ液状の物質が多く観察されました。このような微細構造の違いが、生食材のシャキシャキ感、あるいはフリーズドライ食材のベッタリ感の原因となっている可能性が示唆されました。

プラナリア

 プラナリアの再生の様子です。